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東京の宿のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

東京の宿(1935年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

こっちのほうが先なんで。逆なんだけども。もうウルトラq感がつよすぎて前半すべて特撮ドラマにしかみえない。ロケ手法なゴダール的異化作用はもうもうれつで第四惑星の悪夢のよう。海浜の工場が点在するだだっぴろい空コンビナート地帯だけですべてがおこる。野犬をおう弟。どこからともなく帽子をもってかえってくる兄。炎天下の陽炎のなか。うつくしい母娘があらわれてはきえる。幻想的すぎるじゃないか。エア酒盛り。もうsfそのものじゃないか。ザシキワラシ的小津妖怪キャラとしての突貫小僧の面目躍如。見方をかえればだだっぴろい前工業地帯。アメリカ中西部の砂漠地帯ともいえる。だからパリテキサスやスケアクロウやイージーライダーのように安宿をてんてんとするアメリカンニューシネマロードムービーにもみえる。さて後半だが。寅さんシリーズ的な喜八モノに着地させ人情喜劇お茶をにごすかとおもったら急に社会派に。母マドンナ役の女優のその後。戦中戦後の実人生もただごとじゃなく戦争や娘の感染症もふくめタイムリーでかんがえさせられる。娘のその後や兄弟たちもどうなったのか。とにかくにがいおわりかた。飯田蝶子さんと私事のやさしい大家さんがかさなり自分の将来のこととかかんがえてしまった。その後の日本の行く末をおもうと。まなぶべきところ多々。戦前おそるべし。
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