イッソン

ウエスト・サイド物語のイッソンのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.4
ジェローム・ロビンスの振り付け、そしてバーンスタインの音楽、ソール・バスのデザイン、全部がすごい。1961年にこの映画が製作されたこと。まだジーンズやスニーカーが普及していない日本で、めちゃくちゃ新しく見えたはずです。

オープニングの俯瞰がかなり長いですが、ここで早送りなどすると、いつのまにか指パッチンのダンスナンバー始まってます。
このフィンガースナップから街中へ飛び出して対立するグループのケンカまでのシーンが今見ても面白い。これは舞台版と違う工夫が生きているところ。

チャキリスはカッコ良い。少し暗めの怒りを持った目つきで、黒豹のようにスキのないダンスを見せ、対するラス・タンブリンが陽気に軽快に跳ねてます。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のティボルトとマーキュシオの性格そのままです。

体育館のダンスシーンが楽しい。
そして屋上でチャキリスとリタ・モレノが歌い踊る「アメリカ」が抜群に良い。主役2人は歌とドラマで印象に残る。ダンスナンバーがほとんどない2人だけれど「マリア」と「トゥナイト」は名曲。

そして駐車場の「クール」
振り付け斬新です。どれだけ後の人たちに影響を与えたことか。アイス役のタッカー・スミスの狂気じみた歌。A・ラブ役、オデコの目立つ小柄なデヴィッド・ウインタースに注目。叫んだかと思ったら笑い、酔ったように踊ります。この役おいしいです。

ちょっと振り付けのことだけ褒めてしまいましたが、とにかく音楽がいい。ミュージカルは曲が良くないと成り立ちにくい。
とフレッド・アステアも言ってました。