イッソン

ゴジラ-1.0のイッソンのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.6
古めかしいところが良かった。敗戦でボロボロの廃墟だった東京がゴジラによってさらにボロボロに破壊されるとは。

神木演じる敷島が特攻隊の生き残りだったという設定が面白いと思った。
このドラマチックな設定により、ゴジラより敷島が目立った印象になったのかもしれない。ゴジラが目的の人にはつまらないのかも。

特攻隊とは、死んであたりまえの兵隊だから、そこから逃げて来たうえにゴジラを攻撃できなかった罪が悪夢のように敷島にとりつく。

神木隆之介の狂気の演技がゴジラと同じくらい面白い。

アメリカは原爆と空襲で日本を破壊したが、ゴジラが現れても日本を守らない。占領下だったのに助けてくれない。それは敵対しつつあるロシア(ソ連)の事を刺激しないためって言う理由。今だって非常時に助けてくれるとは思えないからリアルだ。
でもマッカーサーがゴジラに踏み潰されたらどうしたのかと妄想した。

銀座へ向かう電車がゴジラに破壊され持ち上げられ、その中にいた典子(浜辺美波)が空中でぶら下がるところの遠近感すごい。

焼け跡のお隣さん、冷たい態度だけど本当は優しいおばさん(安藤さくら)も下町の女性らしくて良かった。顔と当時のモンペ姿に違和感なし。

吉岡秀隆と神木隆之介が並んだ時、子役から良く生き残ったなぁと感慨深い。