菩薩

手の菩薩のレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
2.0
松居大悟の映画をまるで観ていないのでアレだがめっちゃ松居大悟の映画だなと思うくらいには松居大悟の映画だった、知らんけど。ただこの作品が一応は「ロマンポルノ」の枠組みの中で撮られた事を考えると猛烈に不満、と言うか面白くない。別に松居大悟くらい名の売れてる監督ならわざわざロマンポルノの名を冠さずとも企画通ると思うし、おそらく貴重であろうひと枠をこんな当たり障りのないちょっとだけエッチな映画に割く必要があったのかは甚だ疑問。ロマンポルノに何かを期待している人の多くは濡場さえ有ればなんでもありの「なんでもあり」の部分に如何に作家性が詰められているかを期待していると思うが、別に普通の顔面が良いだけで頭の悪いクズ男との恋愛映画で父と娘の話じゃんとしかならない。強いて言うならはじめてのSEXの最中に電話かけてくる妹ちゃんくらい?『手』と言うくらいだから手のショットは多いし手マンのシーンもこれ見よがしだがむしろ「で?」って感じで、クンニのショットはおそらく『NOVO』の引用、それこそ「で?」って話だが…。まぁ語れる部分がまるで無いし、これを観て「おじさんは可愛い」を真に受けるおじさんが少なからずいそうで怖い、実際場内で笑っているのはおじさんだけだった。客層的には自分より下の世代の女性が多かった印象、おそらくメインターゲットはそこだし企画の走りとしてまずは成功だろうが、おじさんに取ってのロマンポルノは遠くなりにけりだなと思った、知らんけど。
菩薩

菩薩