このレビューはネタバレを含みます
細やかな感情を大切に描いてくれる作品だと思った。
どのシーンも違和感を覚えるほど自然が綺麗だった。
窓から差し込む光。森林、木々の音。
"光の指輪"
人間の人間らしさ、面倒臭さ、人工的さ、と対比されている気がした。
『街の上で』にリンクしている部分が多いと思った。
テーブル越しの会話、なつとまさの関係性、
嫉妬心が相手を好きな証だという話があったが、今作を観てそれを思い出した。
若葉竜也が一瞬誰か分からなかった。
志田未来のハマり具合が素晴らしい。
ラブホテルとトランプというシュールさ。
透けるシャワーを見まいと毛布から出ない茂巳が可愛い。
結局max焼肉を通り越す2人。
浮気を互いの家で相談し合うシーンはこっちが緊張した。
茂巳の家が広く綺麗すぎて気になってしまった。
取れたボタンを付けてくれる優しさ。
その服を着ていたのは荒川といる時、という皮肉を感じながら。
取れたボタンは付け直せるけど、2人の気持ちは元には戻らないことを示しているのだろうか。
「僕には必要のない本だった。」
「嘘なんかつきたくないよ、つく必要がないなら。」
正直すぎるが故に人を傷つけてしまう。
「書くと過去になるから」
荒川が言うより前に分かって苦しくなった。
最後のアルバムのおばあちゃんの写真を見ている紗衣が、茂巳のことをずっと好きでいるのが分かるシーンが切ない。
同じシーンのなつを見る目線の冷たさには笑ってしまった。
おばあちゃんが良い。
終始、読書の映像だけで物語になるなと思った。
泣きながら別れたと話す留亜や、留亜に電話しようと話す彼氏が高校生らしくて安心した。
パチンコは贅沢なもの。
食べた後に後悔まで感じられるパフェは贅沢な食べ物だと思う。