おはうち

窓辺にてのおはうちのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
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この映画を一つの本にまとめて、全体の包括と批評性を一人の若い読者の感想に託してきて驚いた。ジックリ二時間以上も付き合った観客からすると、本を読み慣れていない若者の感想は素朴すぎるが、それ故に達観された意見で的を射ている事態になり、口を開くたびに笑える。

小難しい人間関係で、よく分からんって映画の内容をちゃんと「よく分からない」と感想を溢す人物を配置するの巧みだよなぁ。映画はフィクションでファンタジーでSFだと断言して、それでも創作が人を突き動かす切っ掛けになる。何気なくフィクションの必要性を説いてるんだよね。巧み。

メチャクチャ笑えたな。浮気をめぐる話とか滑稽すぎてな。裏では浮気をしている男が、知り合いの浮気されてて悩んでいる話を真面目に聞いているだけで笑える。表情一つ一つが滑稽。若葉竜也、最高か。

普通に振る舞ってるけど滅茶苦茶サイコパスな稲垣吾郎とか凄いよね、役作りとかしない天然な感じとかマジっぽいのがいい。ただの本人。

二人しか居ないのにババ抜きかよってのが最高だったね、二人とも素でやり始めてるのが実にいい。どっちが勝ったのか気になるところだ。パチンコもだけど偶然映ってしまったゲームに興じる役者の表情にはドキュメント性があって楽しい。隣でパチンコのやり方を教えるお姉さんがツボ。
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