shizuq

窓辺にてのshizuqのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
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もう言うことなしです。今回も最高でした。
長回しのワンカットでも、会話だけでものすごく引き込まれる。今泉監督は本当に、会話がすごい。普通なのに、普通だからこそすごい。普通って人によって違うから本当に難しいと思うのだけど、なんでこんなにも普通で当たり前で日常的で、それでいて胸に突き刺さるようなセリフ書けるんだろう…食べた後の後悔も含めてなんかパフェが好き、という台詞は特に、私この話監督にしたっけ?!と思うほどでどきりとしてしまった。

石ころをもらうシーンやタクシーの中でのシーン、パチンコを後にした主人公を女性が追いかけてきて二万円を渡すシーンなど、日常の中での小さな出来事が作品のスパイスになっている。見知らぬ人とのささやかで偶然の出会いが思わぬ方向に転んだりちょっと笑えたり。そういう、ごく小さなものやささやかな出来事に愛情深く目を向けられているのを感じる。そしてそれを観た私は安易に、明日ちょっと面白いことが起きるかもしれないという気持ちになるのだ。観終わった後必ず元気にしてくれる心の栄養ドリンクのような感じなので、生きていく上で今泉監督の生み出す作品が必要不可欠かもしれない(激おもファンですみません)。

キャストもよかった。吾郎さんこんなに素敵なんだ。役にハマってた。ティナちゃんもよかったなぁ〜またパフェのシーンになるけど、(あのシーンの台詞が好きすぎる)コーヒーに大体200円追加で払えばパフェ食べれるんです、だから次から絶対パフェ食べてくださいっていう、あの訳のわからない命令がなんか痺れた。だって絶対に自分は人生の中でそんなこと言わないし言えないもん。きっとわけわからなくて無駄なように思えることこそ、かっこよくて強くて惹かれてしまうものなんだろうな。
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