えな

窓辺にてのえなのレビュー・感想・評価

窓辺にて(2022年製作の映画)
3.0
前半がとても好きだった。玉木ティナさんの表情がさりげなくくるくる変わって興味を持った瞬間に瞳がきらめくところなんて記憶に刻まれる瞬間だった。光の描写も好き。稲垣吾郎が前から苦手なので観るの迷ってたけれど気にならなかった。それどころか好きになったかも。2人の言葉の率直なやりとりは滑稽だけれど安心できる。
けれど不倫の描写がひどくて途中から全く集中できなかった。パワハラをするひとが家では良き父であったり、いじめをするひとが愛されるアイドルになったり、不倫をするひとにも人間の心はあるのかもしれないけれど、配偶者に不倫されてPTSDになるひとをたくさん知ってるので不倫をひとつの要素として描かれても流すのがむずかしい。パワハラもいじめも不倫も逮捕されることはないかもしれないけど他者の尊厳を損なう悪の行為だ。わたしの中では登場人物がそれをやってると爆弾のように周辺を破壊して否定してしまう。細かな名言もどうでもよくなる。特に有坂の不倫は本当に最悪。
最後に金髪の彼が「不倫は最悪だし、されて怒れないひとなんてSF」と言ってたけどそんな言葉では何も中和されない。保険で不倫を否定するなら最初から不倫なしでいいのに。なぜ不倫をひとつの恋愛として描くんだろう。
前半は好きでした。ずっと留亜とおっさん2人の会話を見たかった。
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