南アフリカの広大なサバンナを舞台に人間を憎む凶暴な"百獣の王"と遭遇した長期旅行中の一家の顛末を描きだす。ライオンがきゃめらに目掛けて全速で食らいつくシーケンスは、すべて背筋が凍るような恐怖感と焦燥感があった。また監督が『エベレスト 3D(２０１５年)』や『アドリフト 41日間の漂流(２０１８年)』などスリラーよりネイチャー描写に趣向を凝らした監督でホラー要素自体はやや後退。本作品でも"密猟"という社会派の警鐘も織り込みアフリカの現実を示唆させるふくみがあったように思える。ストーリー自体の既定路線感はぶっちゃけ否めないのだが、それすらもねじ伏せるような映画館での大迫力のライオンとの死闘がなにより見どころ。人間を食べず引き裂いて殺める魔獣の猛威を是非 映画館で噛み締めてもらいたい。
