このレビューはネタバレを含みます
王道のアニマルパニック物。それでいて家族物でもあり、程よい緊張感が続く良作。ただ、思った以上にライオンの出番は少ない印象。
最後は意外とアッサリだが、結末にちょっと涙してしまった。
医者のネイトは別れた妻をガンで亡くし、娘2人を連れて妻の生まれ故郷であるアフリカを訪れる。
そこでは、ライオンを保護しながら、動物を狙う密猟者を殺す反密猟者として活動している友人のマーティンが出迎えてくれる。
ネイト達4人はサバンナをドライブし、とある村を訪れるが、そこの村人は密猟者によって群れを壊滅させられた「ディアボロ」と呼ばれるオスライオンによって壊滅していたのだった。
一昔に作成されたアナコンダやクロコダイル、トレマーズといった王道さを感じ、リアルなメイクとライオンの造形から、生々しい痛みを感じることが出来る。
展開も無駄なものはなく、広大な大地でありながら、逃げ場がない恐怖感もすごい。
ただ、シンプルが故に意外性もなく「人を襲うライオンに襲われた話」以上に風呂敷は広がらないので、肩透かし喰らう人はいるかもしれない。
最後に関しては「それしかないよな」という終わり方なんだけど、ディアボロは自分の群れを無惨に殺戮した人間に対し復讐をしているだけで、本来は静かに暮らしていたであろうことを考えると、胸が痛いものがあった。
ネイトも妻を亡くし、残された娘のために文字通り命をかけて闘うのだけど、愛する家族を失ったディアボロの心境はいかがなものだったのか…。
アニマル物で動物側に同情できちゃうと、どうしても人間サイドを素直に応援できなくなってしまう。
見やすい時間の長さに程よいエグさが暇つぶしにはちょうどいいと思います。変なサメ映画見るくらいなら見て損はないです。
取りあえず、密猟者は滅ぶべきだと思います。