かぴばる

ザ・メニューのかぴばるのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

 孤島、個人的な復讐とくれば『そして誰もいなくなった』的なものを想像していたが、レイフ・ファインズ演じるシェフの復讐はもっと大きなもの、いわば美食ブーム、大量消費そのものへと向いていた。そのあたり、飲み込むまでは物語のテーマが少しわかりにくかった。風刺映画でもあるんですね。

 単なるサスペンスとしても、演出やカットがお洒落で楽しめる。料理が美味しそうに見えないという評価がちらほらついているが、あれも「ヌーベルキュイジーヌ」的な料理の見栄え消費への批判だろう。泡ばっかりで全然食欲が湧かないなか、最後に出てくるチーズバーガーの純粋な食欲の権化のような姿。考え尽されている。チーズバーガーのプロモーション映画かと思った。

 オチがちょっと性急というか、客たちが従順すぎるのが作り物臭かったが、まぁアートって作り物ですしね。アニャが美味しくバーガー食えたなら、それでいいよもう。