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カラオケ行こ!のmittskoのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
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【書きかけ】予告編だけの前情報しかなく観るつもりもなかったけど、家人に誘われて観に行ってみたら… 大当たり…! 後で知ったが、なるほど山下監督と野木脚本という盤石の布陣であったか、と大納得

さて、大満足の一本だったのは間違いないんですが、それを説明するのにはちょっと苦労する 以下、ちょっと説明させていただきますね――

まず、スカした、というかメタに抜けた笑いが好い 山下監督なので当然といえば当然なのだが、実はそれ自体に、ボクはそんなにハマったわけではないのです ああ、面白いね、という程度(こういう笑いにしては批評性が弱すぎる、とずっと思ってた)

そして、アンチクライマックスの脚本 原作未読(というか、原作漫画のことすら知らなかった)ので、どこまでが脚本術なのかは分からないけれど とにかく、エンタメ作劇の王道をとことん脱臼させる ボクとしては最初こそとまどったものの、まぁそれはそれで面白いかもな、という感想で推移 クライマックスの歌唱はたしかに力が入っており情念の爆発が描かれていたけれど、そこ一点ではエンタメ的カタルシスは当然弱いまま

…と、こんな調子で中盤からやっと波長が合ってきて、それなりに楽しめるようになった なるほど、こういうグルーヴでいくのね、と…

ここまでだったら「うん、まぁ好いんじゃないかな」、佳作とすら呼びづらいけれどね、という程度の評価になったはずなんです でも、それをラストシークエンス(エピローグ)が全てひっくり返してくれたのです

それを観たとき、分かったのです――ああ、これは青春映画だったのか、と ティーンエイジャーの男の子に向けて作られた青春のうずきを描いていたのか、と そうすると、何故「秋から初冬」(「真夏」「夏休み」ではなく)が舞台に選ばれており、「天使」に繰り返し言及され、巻き戻し機能が壊れたVHSビデオデッキが何度も登場するのか、何故教室の風景は一切出ないのか、そういった仕掛けが一気に焦点を結んだのでした

ほぼ完全に前情報なしのまま観たボクには、その衝撃がとても大きく、一挙に満足感が上がった、といった次第… 願わくば、ボクと同じように、何も知らないままに観て、最後に衝撃を受けていただきますことを…!

※ ブロマ・スイッチがボクには完全に欠けてますので、そちらについての感想は 鑑賞時には一切湧いてきませんでした でも、その方面でかなり良く描けているはず これも一つの偉大な達成だと思われますです
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