アオイ

カラオケ行こ!のアオイのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

面白かった!

まず、わたし的原作の好きなところのひとつにモノローグがあるのだが、実写映画版ではそれがほとんどなかったことが印象的だった。例えばモノローグとは少し違うけど序盤の聡実くんが狂児に初めてカラオケに連行されるシーンで、狂児が「紅」を中盤ぐらいまで歌い終わったあと原作では(前奏42秒の間に逃げられたな…)と聡実くんが心の中で喋るフキダシがあるのだが、映画にはそれがなく、セリフではない状況や間によって観客に心の中で(前奏42秒の間に逃げられるよな…)と思わせることに成功していた(と思う)。←現に、このシーンではクスクスと静かな波のような笑い声が起こっていた
クライマックスの聡実くんが「紅」を歌い上げるシーンでももちろん原作のようなモノローグはなく、代わりに途中で「紅」の英詞の部分を和訳するくだりを入れたり、2人の回想のカットを入れたりすることによって、ここでもまた観客側に聡美くんと狂児のこれまでに思いを巡らせさせていた(日本語変じゃね?)ように思う。これが実写映画版の表現で、解釈なのだなあと感じた。

あと映画部(?)のくだりいるか…?と途中まで思っていたけど、青春はあの部室にあった映画のビデオテープと同じで一方通行にしか再生できないということなのかな…もう二度と同じシーンが観られなくても、あの部室に綺麗に積み上げられたビデオテープの山のように、狂児との思い出が聡美くんの心の中にもいつまでも残っていくんだろうなと思いました。

X JAPANの「紅」を聴きながら送信。
アオイ

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