滅茶苦茶面白かった。
とにかくテンポが良くてエンドロールまでがあっと言う間だった。脚本と編集の見事さ。激昂してしまった聡実君が下駄箱の前でほとんど表情の読めない影のシルエットになった横顔でLINE着信音に反応してる場面なんか、もう…… 何か言葉にできないほど尊かった。青春そのものがスクリーンの中にあった。
キャスティングも本当に素晴らしいと思う。聡実君役の少年、小顔で色白で可愛い顔をしているというだけでも尊いのに目元が本当に"和山やま"世界の住人のそれだった。綾野剛のスーツ姿が国指定重要文化財なのは言うまでもないとして、二人共やたら脚が長いのでツーショットが本当に美しくて妬ましいほどだった。
狂児さんのケンカの仕方、シャブ星人の"話通じない人感"のリアルさ、スナックが静まり返るあの空気……
ゾクゾクさせられるようなヤクザの怖さが時折挿入されるのも、ピリッとしたスパイスになってて良い。
伏線の回収のされ方も気持ち良くて、本当に後味の良い映画だった。映画館で見て良かった！ あの最後の熱唱…… 思い返すだけで目頭が少し熱くなる。
願わくば和田くんには『映画を見る部』の部員にもなってもらって、思春期学生の貴重な隠れ家、心のオアシス足り得るあのスペースを守っていってもらいたい。
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(この映画で一番のサービスシーンは冒頭の狂児(綾野剛)さんのタトゥー濡れ透けです)
