にっこりテリー

カラオケ行こ!のにっこりテリーのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.8
未ログ装填


 所謂良作邦画の定型のような作品で、穏やかな時間が進み、少しの激情が挟まり、仄かな感動爽やかな抜け、に少しの可笑しみ。

 野木亜紀子がどうした、とか山下敦弘がどう、とかではなく、とにかく生っぽさにヤクザと中学生の交流というとんでもない虚構が混在しているにも関わらず、なんの違和感もなく見ていられるのがこの映画の人気的成功なのでしょう。
 劇場には何度も来ている客が多く大いに笑っていましたが、一方で「この映画知ってる私俺いいだろう」な抱え込みのレギュラー客でもあり、せっかくならもっとマスに広がってほしかった。

 このサイズの映画はいつまで経ってもメジャー規模のヒット作にはならないので、ビジネスとして多くを見込めず、上映規模含めて興行も製作も腹をくくって臨まないと、日本の映画はドンドン鎖国的に且つ没落文化になってしまう。
 角川は4大メジャー片棒担ぐなら、もっとしっかり映画文化を支えてほしいものです。商業の側面で。そのためには営業部門強化してブッキングしまくって、予算をしっかりかけて宣伝も行い、良作を世間に届けることで日本人の鑑賞眼を養い、劇場を建てまくって、劇場に脚を運ぶ機会が増えるようにし、、、、映画を日本の文化に、、、という日本人の習慣を先頭切って整えて行くべきです。
 ただでさえ、タダを当たり前(無論サブスクは定型の課金があるが)に享受しがちな日本人なので、せっかくの良作はしっかりお金を払ってもらうべきです。

 余談ですが
 綾野剛の歌が聞けるレベルなのでずっと違和感しかなかったのは御愛嬌ですね。あと「学校でいやらしい!」のワードセンスは痺れるものがありました。
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