富樫鉄火

神田川のふたりの富樫鉄火のネタバレレビュー・内容・結末

神田川のふたり(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

#116
朝日新聞の映画評が絶賛していたので、そんなに面白いのかと、半ば疑いながら観てみた(いままで、同紙の映画評には、何度も肩透かしを喰らっているので)。
そうしたところ、たしかにユニークな映画だとは思ったが、どこか、妙な「中途半端」さが漂っており、どうやら、それが魅力の映画らしいと感じた。
しかし、もう少し、亡きカンダと主役2人の間に、どんなことがあったのかを紹介しておいてくれないと、せっかくのラストが生きてこない。
また、主役2人が、好きだけど言い出せない、そのあたりのもどかしさも、もっと描いてほしかった(でないと、これも、ラストのあのシーンが生きてこない)。
死者が生者を導く設定は井上ひさしの専売特許で、『父と暮せば』『頭痛肩こり樋口一葉』などでさんざん使われた手法につき、新鮮味は薄かった。
その意味で、この映画は、思いきって舞台化したほうが、ずっといい作品になるのではないか。
富樫鉄火

富樫鉄火