爆裂BOX

キラーカブトガニの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

キラーカブトガニ(2021年製作の映画)
3.9
カリフォルニアの海辺の町、廃炉となった原発が爆破処理された後、謎の行方不明事件が続発し、白骨化した人間達が発見される。犯人は凶暴化したカブトガニたちだった…というストーリー。
エクストリーム配給の放射能汚染で凶暴化したカブトガニの襲撃を描いたモンスターパニックホラーコメディです。
カブトガニはチープなCGとパペット使ってますが、可愛らしくて良かったですね。フェイスハガーみたいに人間の顔に飛びついて喰らいつくだけでなく、プロムのDJノリノリでやったり、バーで酒飲んでひっくり返ったりUFOキャッチャーに興じたりポルノ見て興奮したりとコミカルな言動見せてくれて「グレムリン」や「クリッター」みたいな楽しさがありました。主人公達が逃げる中でパトカーの車中から見る町のパニック具合も楽しかったですね。進化して等身大の大きさになる第二形態も着ぐるみ使っていて楽しいです。襲われた犠牲者の顔が半分崩れてたり、食い散らかされたバラバラ死体といったゴア描写もありますが、思ったより少なかったかな。
登場人物も車椅子の天才発明少年や彼をサポートし続ける同じく天才の幼馴染の少女、ポンコツだけど弟思いな保安官助手の兄、幼馴染の女の子の母親のチョイエロな女教師に発達障害だけど常に明るい忍者ラドゥと皆キャラ立ってて楽しいですね。主人公の少年と少女が一緒にプロムを目指す青春ドラマや彼女の母親の女教師と元教え子の主人公の兄との恋愛などのドラマも非常にエモくて良かったです。ラドゥの活躍ぶりも楽しいですね。
終盤ではクジラも屠る超巨大カブトガニが出現し、それに対抗して主人公達が秘密兵器設計して組み立てていく所も面白かった。あの短時間であれ作れるの天才過ぎとか言うレベルじゃないけど(笑)そうしてできた秘密兵器のフォルムにもニヤリとしました。キャッチコピーがヒントになってたんですね。ラストバトルも怪獣映画彷彿させてちょっとテンション上がりました。
ラストバトルもそうだけど、ラストショットも日本へのリスペクト感じさせて楽しかったです。
安さを感じさせる所は勿論ありますが、それ以上に監督のやりたいこと詰め込んで楽しんで作ったのが感じられて、見てるこっちも楽しくなれる作品でした。