・ジャンル
モンスターパニック/ホラーコメディ/スラッシャー/青春/特撮
・あらすじ
田舎の港町メンダシーノに暮らす下半身付随の高校生フィリップは亡き父の残した自動車修理場の納屋で恋人マディと共に研究と開発に勤しんでいた
2人が作ろうとしていたのはフィリップのの歩行機器
その為に彼らは小型原子炉の開発や強力な動力源の入手にまで至っていた
一方その頃、浜辺には不穏な光景が広がっていた
体中を喰われ打ち上げられた鯨の死骸、骨が露出するほどに損壊した遺体、頭蓋骨の一部が露出した女性…
そして一連の事態を起こした生物達がプロムパーティーの現場に現れる
彼らは原発事故で突然変異を遂げたカブトガニだったのだ!
高い知能と殺傷能力を誇るカブトガニ達により崩壊していく町
追い込まれたフィリップ達は知恵を絞って彼らの撃退へと動き始め…
・感想
原発事故で突然変異を遂げたカブトガニ達と科学に長けた車椅子の高校生フィリップとその仲間達が格闘する異色の特撮モンスターパニック作品
題材と邦題に惹かれて鑑賞
モンスターパニック作品と言うと一般的には鮫、ワニ、蜂などの昆虫が多い
そんな中でカブトガニに白羽の矢を立てている時点で面白いけど出オチになりかねないリスクは高い
しかし本作ではその珍妙な怪物達を存分に活かしていて最高の出来だった!
オープニングからビーチセックスで始まり、カブトガニの人間の襲い方もしっかりグロい
ツカミがバッチリな中で大群の襲来までも中弛みさせる事なくメインキャラクター達の人物像をコミカルに描き退屈させない
特に知的障害者であろう同級生ラドゥのキャラがそれを引き立てていた
随所に配置されたオマージュもニクい演出
プロムの惨劇は「キャリー」だし鮫ロボットはメカゴジラだしラドゥはランボー化するし…w
またフィリップとマディ、フィリップの兄ハンターとマディの母アナリスという2組のロマンス要素もあくまでコメディに徹する事で変にごちゃついた内容にさせる要素にはなっておらず上手い
そして何より良いのがカブトガニ!
人語を喋りはしないもののずっと変な声を出しながらちょこまかと動き回るだけでも可愛いのにDJになったりビールを飲んだりUFOキャッチャーで遊んだりAVを観たりというやりたい放題っぷりがシュールで最高w
加えてただ人間を襲い殺すだけでなく寄生して操る事でゾンビの様になったり、脱皮した大きな人型個体と鯨を食い殺す程の怪獣個体までいるという欲張りなサービス満点さが素晴らしい!
しかも大ボスである怪獣個体とはフィリップ達が作り上げたサメ型ロボで戦うという怪獣プロレス的な展開まで!
このロボット開発シーンがアメリカの玩具CMパロディになってたのも個人的に好きな笑いw
また第一形態は普通に可愛いし人型も怪獣もかっこいいのがイイんだよなぁ
一通り終わった後の残った個体との戦いへ向かうラストも良いしエンディングまでちゃんと面白いのも隙がない
ラドゥの歌もシュールで良いけどその間に流れる映像が血の海となったプロム会場の清掃というセンス!w
B級作品である事を遺憾なく活かしてテンポ良く無駄なく構成され尺もちょうど良いというダメな部分の見当たらない良作だった!
「サイコ・ゴアマン」とかが好きな人ならかなりハマると思う!