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丹下左膳餘話 百萬兩の壺のTaulのレビュー・感想・評価

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)
5.0
80年前というのがやっぱり驚き。なんてポップでテンポのいいホームコメディだ。ツンデレカップルの掛け合いが可笑しくて愛も一杯詰まってる。いざという時の左膳の男らしさ。天才山中貞雄25歳の超絶大傑作。

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『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』
早逝の天才監督 山中貞雄の傑作。丹下左膳の原作者から抗議を受けタイトルに余話が入ったパロディ作品。疑似家族もののホームコメディになっていて、ちょっと信じられないくらいポップでキュートな時代劇なんです。

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<2022年9月劇場鑑賞>

『丹下左膳餘話 百萬両の壺』4Kデジタル復元・最長版 鑑賞@シネ・ヌーヴォ。念願の修復版の劇場鑑賞。どう撮ったのか、なぜ面白いのかがより鮮明に分かるようだ。GHQカットの大河内傳次郎の剣戟の部分は短くて音無しだが山中貞雄がコメディの中で活劇で締めかった部分に思いを馳せる。

『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』修復映像はアップもよく見えて演技の細かさを実感。音声も良くなったが劇伴が大きいと聴き取り難い部分はやはりあるので字幕付き上映もありかも知れない。反復や省略、カット繋ぎなど映画手法の宝庫であり、金や争いより自分らしい生き方の讃歌。ますます輝く作品になっていくだろう。
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