垂直落下式サミング

大忍術映画 ワタリの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

大忍術映画 ワタリ(1966年製作の映画)
3.5
わっぱ!キサマ何者だ!?という追っ手の問いに、斧を構え「ワタリだ!」と猛々しく名乗りをあげる少年忍者。この歯切れのいいオープニングが最高。本人がワタリだって言うんならワタリなんだろう。本作では敵も味方も名前や身分は自己申告制だ。
おはなしは、「なんだそれは?!」の連続で息付く暇もない大冒険が繰り広げられ、使い捨てにされる伊賀の下忍たちを救うために少年忍者ワタリが忍者の世界を走り抜けて行く。
ぐるぐる回り光る極彩色のライトの映像と、野を走り跳び上がるワタリを追った空撮、伊賀崎六人衆との死闘や黒幕との決闘、脳が不意打ちをくらう突然のダンスなど、縦横無尽に駆け巡るワタリの大冒険を、時代劇のなかにアニメと特撮が混在するアクションでみせる白土三平の世界。夏休みおたのしみ劇場で再放送していた『仮面の忍者赤影』に雰囲気が似ていて楽しかった。