Eirain

野いちごのEirainのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
3.6
スウェーデンの名匠イングマール・ベルイマン、2本目。『第七の封印』に続き鑑賞。

医学分野における長年の功績により、名誉博士号を授けられることとなった老教授のイサーク。彼に長年仕える家政婦と共に、授与式が執り行われるルンドへ飛行機で赴く予定であったが、授与式前夜に見た「死」を暗示させる奇妙で不快な夢を見たことをきっかけに、(自身が歩んできた人生について考える猶予が欲しくなったのか、)出発直前に自動車で赴くことに決める。家政婦は彼の唐突な予定変更に反対して同行を断る中、義理の娘(息子の嫁)であるマリアンヌが同行を願い出る。イサークとマリアンヌ、2人の旅路。イサークは、道中での様々な出会いや回想される過去を通じて、これまで自身が歩んできた人生と「今」を見つめ直す―――。

「"人生の終わり"が近づく老教授が人生を見つめ直す、ロードムービー」

人生の終わりを迎える時、どんな気持ちでいられるか。これまで歩んできた人生を変えることは出来ないが、気持ちに折り合いをつけたり、近しい人たちに何かを"遺す"ことは出来る。「出来る限りの憂いを無くして、最後は"いい夢"を見て過ごす」、そんな風で良いんじゃないか。
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