うちむら

野いちごのうちむらのネタバレレビュー・内容・結末

野いちご(1957年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

モノクロの美しいこと!
夢シーンの光彩の変化、その輝きは目に焼き付く。その夢の棺桶と時計がこれからのストーリーを暗示するうまさ。

老年の男は仕事を讃えられた授賞式参加の旅にでる。それは計らずも人生を振り返る旅になる。夢の中にいるかのように現れる過去の場面に遭遇する現在の男。心に楔として残ってるターニングポイント的な場面だと思う。

嫉妬、喧嘩など感情を露わにする同乗若者3人組(男2人女1人)と野いちごの頃の若かった自分たち(男2人女1人)を対比させているようにみえた。
感情的な人間を軽蔑してきた自分は、仕事に於いては成功したが、愛においては失敗、そして孤独。それが、そう遠くではないだろう死期を感じている男の後悔にみえる。
野いちごのあの頃に戻れるなら、あの娘に愛を、自分の想いを熱く伝えたいという。
うちむら

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