のり

野いちごののりのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
3.8
初ベルイマン。孤独な老人の夢と現実、過去と今を複雑に織り交ぜ、独特の映像美で描きあげた人間ドラマ。

人は何歳だろうと変われるもんなんだと実感する。自分の人生を思い返し、時には糧にして、時には反省して。物語の終盤、イーサクはただの物知りなだけでなく、人の痛みが分かる優しい老人になっていただろう。

冷酷と死と孤独。決して否定しきれるものではない。人それぞれの性格があるし、誰にも関わらずに最後はひっそりと死を迎えたいという人もいるだろう。ただ、人は人と関わって初めて自分の愚かさに気づき、成長できると思う。

自分はまだ若造だし、この作品の真意は全然掴みきれてないだろうが、1つ言えることは見やすくて面白かったこと。自分探しがテーマの人間ドラマは眠くなることが多いのだが娯楽作品としても楽しめた。
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