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レジェンド&バタフライのmatchypotterのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
3.8
✨🎉㊗️1️⃣7️⃣0️⃣0️⃣レビュー、達成㊗️🎉✨
キタ、やっぱり百の位が変わる瞬間は感慨深い。まだまだ観たいものは尽きない。たぶんこのペースでいっても一生尽きない。さぁ先に行くぜ。

1️⃣7️⃣0️⃣0️⃣本目は、東映7️⃣0️⃣周年記念の映画。
たまたま7️⃣にかけれることに気付いて、初日に馳せ参じてみた。

織田信長と濃姫の荒れ狂う戦乱の世を駆けた愛の物語。
総制作費は20億円とも言われ、東映が心血注いで作った1本。

それだけあって、ロケーションも、人の数も、スケールも、ここ最近の邦画とのレベルの違いを見せつける壮大な歴史スペクタクル。

監督は『るろうに剣心』の大友監督。
キムタクと綾瀬はるか、伊藤英明、中谷美紀、その他豪華な面々。斎藤工には驚いた、スゴい。

制作スタッフもキャストも一切の妥協を見せない突き詰めっぷりで、本当に東映の覚悟を感じれた作品だった。

織田信長と言えば、“魔王”と呼ばれた戦国時代の先駆者であり、カリスマ的な存在。
これ以降の日本で生きる日本人にとっては、もはや知らない人はいないんじゃないかという傑物。

幼い頃は“うつけ”と呼ばれ、その大胆、且つ、巧妙、且つ、斬新的な所業の数々により、常軌を逸した戦国武将として名を馳せる1人の男。

それを、そのエピソードを断片的に織り込みながら、青年時代から、かの有名な“本能寺の変”まで。
“うつけ”から“魔王”までを、“愛”で描く、という所業を目の当たりにする。

『信長協奏曲』でも“帰蝶”と呼ばれ、おてんばで破天荒で、男勝りで決して力に屈しない姫として描かれる濃姫。
“美濃の蝮”斎藤道三の娘として“政治的な人質”として信長に嫁いできたことから始まり、彼女もまた己のアイデンティティや役割を感じながら、好きでもない“うつけ”のところにやってきた苦悩や苦労がある。

しかし、この2人が、戦乱の世の先頭を走ることを選ぶ。
その厳しい世界の中で、厳しさに身を置いたからこそ、2人だけで、2人にしか見えない、わからない景色と相手の想いがある。

彼がいたからこそ彼女があり、彼女がいたからこそ“あの彼”がいる。

キムタクが織田信長に敬意を表しながら、真摯に向き合い、丁寧に、そして、大胆に演じていることがとてもよく伝わってきた。

もう、彼は日本のトムクルーズみたいにすら思えてくる。長い間日本の芸能の先頭にいながらも決して驕らず、謙虚に。

それでいて挑戦も忘れていないその強い意思が、この織田信長の破壊的な“力”とカリスマ性と、そして、不器用な“愛”との相性を最高に高めたのだと思う。

“愛”に寄せているので、戦のシーンも合戦シーンは少ない。
が、その熾烈な合戦の様子が伝わってくるような情景の数々はとても迫力があった。

延暦寺の焼き討ちや、濃姫とお忍びで出歩いて巻き込まれたトラブルなども、壮絶さは予想以上にハードで動きがあって鮮烈だった。さすが大友監督。

キムタクが青年期から演じてるという大河ドラマとかにもある時代劇あるあるはあるけど、そこをとやかく言うのは野暮ってもんで、むしろ、織田信長を“うつけ”から“魔王”まで演じ切ったその執念のような彼の思い、これを見届ければそれで良い。良いのだ。

歴史の荒波に飲まれ、いつしか野望となり、命のやりとり、部下や民の先を背負い、ただただ目の前の障害に立ち向かってるうちに、心が殺伐とし、少しずつ蝕まれ、憔悴していく彼の“魔王”たる所以へと近づく様がとても印象的だった。

濃姫の綾瀬はるかも良かった。
歴史で語られる濃姫、ゲームでも見かける濃姫も、“魔王”の妻だけあって結構シャープな美魔女系のビジュアルが多く、それに染まってたが、この綾瀬はるかの強い眼差しと優しさ、勝気でエネルギッシュで、でもそこはかとない儚さ。良かった。素敵だった。

この2人の相性が思いの外映えてて、織田信長と濃姫の仲良しこよしでもないけど、彼と彼女にしか行き着けない領域の変えがたい絆を体現してた。

東映がかける思いと、このキャストたちの熱い演技がガッチリハマった至極の戦国ラブストーリー。

170分ぐらい。尺も中身も見応えあった。
戦国の、戦国時代らしいスペクタクルさとタフさ、ワイルドさの中で育まれる“愛”の物語。


F:1972
M:2303
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