時代劇なのだけど、ラブストーリーだった。その方が木村拓哉と綾瀬はるかの組み合わせに合っていたように思えた。また合戦に次ぐ合戦で人がどんどん命を無惨に落として気持ちが萎える物語よりも、数十年に渡る夫婦の物語が新しい視点だと思った。
木村拓哉はもう田村正和くらいキムタクなのだけど、もうそれでいいではないか。織田信長が合っていた。最初は情けないうつけ者から魔王と呼ばれるまでの成長をよく表していた。
綾瀬はるかはさすがの演技。アクションも「八重の桜」や「精霊の守り人」(ドラマ)で見せた実力を発揮していた。そして最大のアップにも耐える表情はさすがに主演女優だと思った。
そのほかは中谷美紀、伊藤英明、音尾琢真が印象に残った。
あと斎藤工(ファンです)はなぜ一人特殊メイクをせねばいけなかったのか。年齢か。しかしほんの少しの出演も宮沢氷魚(明智光秀)への耳打ちなど声で楽しんだ感じだった。
最後の本能寺の変も完全に半分は二人の歴史を重ねたファンタジーになっていたが、悪くはなかった。木村拓哉は現在の年齢で信長を生ききった。
長い時間を長く感じさせない作品だった。
