藤見実

追想の藤見実のレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
4.0
ジャケットからはうかがえないけども、スーパーカルト映画なのでは。

あらすじとしては妻子を無軌道なナチス末端に殺された男がその兵士たちに復讐していく、殺しまくるというのに、現実の時間の流れと同じ比重で二人が殺される前の思い出が追想として入る、というもの。

やーけに鏡を使ってくるなー、と思ったら、最後、どんづまって鏡に自分を写しながら銃で自殺を企てるナチス将校を、その鏡(マジックミラー)の裏側の小さな隠し部屋から火炎噴射器を使って焼き殺し、妻と過ごした田舎の家そのものを焼き尽くすシーンに全てが繋がっていてかなり興奮した。カメラが写しているものを追って説明すると、将校は鏡を見つめてコメカミに銃をあてている、その鏡が突然歪みこちらに凸となって溶け出してくると思うと、鏡に穴が空き、その穴が広がると向こうに見える火炎噴射機を持った男、そして強烈な炎、別のカメラから焼かれるナチス将校、火がついた体でのたうちまわる将校と燃え盛る部屋、といった具合。最強だった。
藤見実

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