再見、やはり大傑作。シカゴからカルフォルニアまでの過酷な道のりの中で男にも女にも分け隔てなく非情な時が訪れる様を見て、こういうフェミニズムへのアプローチもあるのかと唸った、といってもどこまでそこに意識的だったのかは分かりませんが。
インディアンの襲撃で命を落とした者たちの名前を一人づつ伝えるシーンも心を揺さぶられるが、何より終盤の出産のシークエンスでの車輪の外れた馬車を残して歩みを進めてゆく旅団を背後から捉えたカットの美しさは、転落や川の氾濫で馬車と共に失われた命への鎮魂であると共に、ここまで貫かれていた非情さがヒューマニズムに反転する瞬間でもあってとても感動した。そしてラストの祝祭、これ以上何を求めればいいんだ。