韓国で多くの被害者を出した「加湿器殺菌剤事件」をモチーフに原因不明の肺疾患で家族を亡くし、その死の真相を突き止めようと奔走する医師を描いたサスペンス。
“巨大企業に立ち向かっていく”テーマの作品という事で「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を思い出す。「ダーク・ウォーターズ」の方は、大企業相手に訴訟で決着をつける事が如何に時間を消費してしまうのか…という事を描いていたが、今作ではそのような時間経過は多少は描かれていたけど、基本白黒わかりやすいエンタメ方面に振られていた印象。
いろいろとツッコミ所はあったけど、あまりにドラマチックな展開に、逆にどこまでが実話なのかと困惑してしまう。それでもあの八方塞がり手詰まり状態からの逆転劇にはスカッとカタルシスを感じてしまう。特にあの父親の、前半のどこまでも悪どい表情から終盤、まるで憑き物が取れたかのような表情への変化が本当に素晴らしかった。ついでにもうひとつ、注文をつけさせてもらうなら、あの悪徳政治家のジジイにも報いを受けるような演出が欲しかったかも。
それにしてもこのタイトルはヒドい！“かたまり”と“もぐら”じゃないんだからさぁ…
