うかりシネマ

金の国 水の国のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

金の国 水の国(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原作は大人向けの童話という感じだったが、子供向けっぽい王道の演出に。綺麗な三幕構成で二人の活躍があり、幕ごとのクライマックスは気合が入っている。

目を見張る作画や劇場向けの普段はやらないアニメーションみたいなものはないが、リッチに動いてはいるし、中東イメージの美術は綺麗。決めのシーンは少女漫画的なエフェクトを、現実的な背景を使って再現しているのが面白かった。
音楽もオーケストラで、大作洋画っぽい雰囲気が合っている。

本作の面白さは二人の情報レベルの差異にあるが、この点が分かりやすくなっていたのがよかった。
ただ、ラストにこれを持ってくるせいで、隠し通路を渡り始める際にサーラがナランバヤルを既婚者だと思っていたことに違和感が生まれていたのが残念。国名を付けてリアリティを上げているのだし、ここや冒頭の犬や猫のくだりは改変してもよかったのでは。

賀来賢人はそのまま2.5系の声優としてやれるレベルだが、浜辺美波は微妙。さすがに演技を込めることはできているが、声優としてはノイズ。聞いていられるという点ではその辺の俳優吹替よりはマシだが、現代のアニメ映画ならもっと声優としてディレクションできたんじゃないかな。