福福吉吉

金の国 水の国の福福吉吉のレビュー・感想・評価

金の国 水の国(2023年製作の映画)
4.5
◆あらすじ◆
裕福だが水不足の「金の国」の王女サーラと貧しいが水に恵まれた「水の国」の建築士ナランバヤルは両国の戦争を回避するために夫婦を演じることになった。ナランバヤルは金の国の水不足によりサーラが困らないように水の国から金の国へ水を引くことで対立する両国の国交を回復させようとする。

◆感想◆
対立する2つの国の男女が戦争を回避するために夫婦を演じるとともに2つの国が手を結ぶように働きかけていくストーリーとなっており、主人公のナランバヤルとサーラ姫の間でお互いを思いやる気持ちに溢れていることが映像からも伝わってきて、観終わってやさしい気持ちになれる作品だと思います。

「金の国」と「水の国」は長い間、対立関係にあり、過去の取り決めにより「金の国」の一番美しい姫と「水の国」の一番賢い若者を相互の国に送ることになっていたが、「金の国」の王女サーラのもとには犬が、「水の国」の建築士ナランバヤルのもとには猫が送られてきたため、サーラとナランバヤルは両国の平和のためにそれを隠します。しかし、それぞれの国でその存在を確かめられたため、「水の国」ではサーラが妻として、「金の国」ではナランバヤルが夫としてふるまうことになってしまいます。2人の出会いからかなりほんわかした雰囲気で、それぞれの心の優しさがしっかり現れていたと思います。

サーラは「金の国」ではあまり必要とされておらず、寂しい思いをしており、ナランバヤルとの出会いは彼女にとって何よりも心の支えとなっていたように思います。他の女性キャラクターと比べて外見的な美しさが劣るように描かれていて、それがストーリーにも大きく影響するとともに、それ故に彼女の心の美しさがより強く感じられました。

ナランバヤルは「水の国」が貧しいために職に就けずにいましたが、かなり頭が良くて物事の本質を見抜く力と他人のために本気になれる胆力の持ち主で、外見のペテン師っぽさとは裏腹にかなりのキレ者であるように見えました。会って間もないサーラ姫のために国交を回復させようとするなんて、優しく肝っ玉のでかい人間にしかできないと思います。

ストーリーが進むにつれて、ナランバヤルには命を危険にさらすやりとりが、サーラにはナランバヤルとの日々を続けたいという思いが続いていきます。ナランバヤルの行動は周囲の人間にも変化を及ぼしていき、終盤のストーリーは緊迫感とともに2人の本当の気持ちがとても伝わってきて心に響きました。

とても素敵な作品でした。この作品はフィルマークスのレビューを読んで出会うことができました。本当に感謝しかないです。もっと多くの人に観てもらいたいです。

鑑賞日:2025年2月19日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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