囚人13号

四月の囚人13号のレビュー・感想・評価

四月(1962年製作の映画)
4.0
若い男女のすれ違いを無声映画的にデフォルメし、それは結果的に終盤との対比になっているのだが顔のアップを排して拗ねた彼女を追いかけ引き止める反復から二人は巨木が一本根を張る草原に(牛が無数に放たれている異空間)飛躍し、キスを交わすまでの疾走を受け止め続けるキャメラが眼福。

言動のほぼ全てが音に置き換えられる滑稽さは良いのだが、何故4点かというと途中からサウンドの誇張と音の融合が下手くそと気付いたから、タチとの決定的な差はこうした不愉快さの有無であるかと。
個々の自由を保証する壁でもある扉の開閉音、隣人の身振りなどそこの鬱陶しさだけが他が完璧に近かっただけに本当に惜しい(何なら尺も25分くらいで良かったのでは)。
囚人13号

囚人13号