蛙

VESPER/ヴェスパーの蛙のレビュー・感想・評価

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)
4.0
遺伝子操作の失敗により生態系が壊れた地球。富裕層から貧困層が隔離され、限られた資源を奪い合うディストピア。

制作費は僅か€500万。しかし全く低予算を感じさせない、SFのスケールと世界観の作り込み方。力の入れどころの取捨選択、画面の作りが凄く上手い!
基本クローズ〜ミドルショットが多く、美術の作り込みが最小限で済んでいる。反面、閉塞感があるのだけど、それが物語にリンクしているからスケールの小ささを感じさせない。その中に写し込まれるのは、臓器の様なポンプや発電機(?)などなどユニークなSFガジェットの数々。何だこの世界観。面白い!
そして、ここ1番で使われるロングショットのキレの良さ!

ズルズル、ヌチョヌチョなバイオテクノロジーも生命のグロテスクさ、力強さ、エロチシズムを感じさせて凄く良い。確かにこれは、手塚治虫、宮崎駿で馴染みのある世界観。まさか実写で表現が出来るなんて。しかも低予算で。

これは早くクリスティーナ監督のビッグバジェットの作品が観てみたくなります。


〈少しネタバレ〉

2回出てくる「そこに手を入れちゃだめだ」ぎゃー(>д<*)、きゃー(๑´ฅωฅ๑)
とのたうち回っていました😆
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