WAR太

グッドバイ、バッドマガジンズのWAR太のレビュー・感想・評価

3.8
男性向け成人誌を作る編集者達の世の流れに飲まれながら戦う、必要じゃないけれど必要な物のストーリー

こういうかなりピンポイントかつニッチな業界の話は興味深くて面白いですね。実話を元にしているってのがまた面白い。
2013年東京オリンピックが開催になるにあたって議論されたのが「コンビニに置いている成人誌の存在」についてです。訪問外国人が増える事が予想される中で日本の恥になると結論づけられました。ミニストップを皮切りに大手コンビニが取り扱いをやめるとニュースで見て何となく悲しくなったのを覚えています。

今作はその裏側、成人誌を作る側の人の話な訳です。
主人公は可愛めの女性で憧れていた女性誌の編集部に行きたかったもの人事的に成人誌の編集部にいかされます。
内容が内容だけに圧倒され翻弄される日々の中で成人誌に対する社会の圧力、社内での弱い立場もありながら良いか悪いか逞しく成長していく姿が妙に心強いです。服装が全く気を使わなくなったり後輩が出来たあとの放送禁止ワードのオンパレードアドバイス滅茶苦茶面白かったですね。

結局最後は儚いもので最初から無かったかのような扱いを受けながら部署は無くなりクビになります。

またこの映画の主軸に「なぜセックスをするのか?」がありますが要所要所で登場人物たちの会話やこだわりがにじみ出てくるのが色んな考え方があって面白かったですね。

オリンピックの裏側で確かに起きていた事。
誰からも必要とされていないようなものでもきっと誰かは必要としていると教えてくれる何か後に残る良い映画でした。
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