みむさん

Peace in the Valley(原題)のみむさんのレビュー・感想・評価

Peace in the Valley(原題)(2022年製作の映画)
3.3
トライベッカ映画祭にて。

夫を失った女性が喪失感のなかで踠きながら息子と自分の人生を歩んでいこうとする話。
主演のブリット・ショウの演技が生々しく現実的。
マイケル・アボットJrが1人2役で出ていた。

序盤から緊迫シーン、妻と息子と居合わせた人々の安全を守るために悲劇に襲われたジョン。妻であるアシュリーはジョンの双子の弟ビリーの助けもあってなんとか立ち直ろうとするが……

母親の気遣い、愛する者を失った者同士の相互ケアの会、息子の存在、支えになるものはあってもそう簡単には立ち直れないアシュリーの姿がつらい。
亡き夫の姿をビリーに重ねるのも無理ない。

アシュリーのビリーへの言動については意見が分かれそうな気もするが、メンタルが落ち着いていない、迷いだらけ、落ち込み気味なアシュリーの状態を考えるとああなってしまうのも人間なんだと思う。誰もがキッチリ折り目正しく生きてる人ばかりではないし。

それを否定も肯定もしない。ただアシュリーなりに息子とともに喪失感を乗り越え、光を見いだしたドラマなんだろうな。