マインド亀

チケット・トゥ・パラダイスのマインド亀のレビュー・感想・評価

3.5
オールドスタイルのロマコメ、だがそれがいい

●『オーシャンズ・イレブン』の気心触れ合った二人が、『オーシャンズ・イレブン』のように、息抜きがてらリゾート地でリラックスしながら作った(と思われる)慰安旅行作品。いやこの手の作品は、オーシャンズ・イレブンもそうですが、多分、気心知れた俳優陣とスタッフで、ちょっとリゾート地なんか行って、片手間に撮影して遊んで帰ってくるか、っていう制作側にも俳優側にもウィンウィンな感じでジョージ・クルーニーが提案して(※注:勝手な妄想です)たまに作られるんですよね。
エンドロールのNG集にもそのリラックスしたムードと仲の良さが伝わってきます。(『ピッチ・パーフェクト3』でもNG集があって、スゴイ楽しそうなんですが、NG集のある映画は総じてチームが仲が良いってことで。)まあ、本当にみなさん楽しそうですねえ。

●映画の内容は、その楽しそうな雰囲気が伝わるくらい、軽快で古き良きハリウッドのロマンスコメディ。難しい事を考える必要はなにもありません。全てのキャラクターがこの手のコメディのお約束キャラ設定で陰の部分は全く無く、舞台のバリは素晴らしい部分しか映ってなくて、全ての要素が「陽」しかありません。
いがみ合う二人が映画の中盤でなんかいい雰囲気になる、特に何があるわけでもなく自然とそうなる、知らんうちに問題は解決する、取っ掛かりのないストーリー。でも最近こういうの、久しぶりじゃないですか?やっぱりたまには必要だと思うんです。
画面いっぱいひたすらジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツのベテランの深みを楽しめるだけで幸せじゃありませんか?二人がベロンベロンに酔っ払ってダッサイ踊りを始める、その中高年の可愛らしさを味わえ、憧れる。そんな映画なんですよね。

●その二人に華を添えるケイトリン・デヴァーとビリー・ロードは『ブックスマート』で共演した二人。ふたりともその『ブックスマート』のキャラからほとんど変わらない印象のキャラクターを演じてて、それもなんかお決まりで安心して観られます。キャリー・フィッシャーの娘のビリー・ロードはコメディエンヌとして良いよなあ…もっと活躍する場がみたいなあ…

●もし2があるとしたら、結婚した若い二人がやっぱりうまくいってなくて、逆にバリ島の暮らしに馴染んだクルーニーとジュリアが二人の仲を修復するような設定なのかなあ。最近よくあるラブストーリーのその後は倦怠期的なリアルなやつじゃなくて、やっぱり夢をみさせてほしいってな気もしますね。やっぱり若い二人はいつまでもラブラブであってほしいですね。
マインド亀

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