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スピード&ラブのsilkのレビュー・感想・評価

スピード&ラブ(2022年製作の映画)
4.9
大傑作すぎてなかなかコメントするのが難しいのだが、頑張ってやってみた。

女性が背負いがちな家事や雑用が、家政婦の登場によって対価が発生するべきものだという示唆も良かったし、家事をする様・生活の中の小さな出来事がドラマチックに描かれているところに、ナワポン監督の着眼点の面白さと優しさを感じた。
また、子供達(現代の若者に置き換え可能)が「大人に発生する面倒事を免除された存在」としてではなく、彼らにも彼らなりの葛藤があるのだという描かれ方も好きだった。

非凡人(Kao)と凡人(Jay)の葛藤が同じ重みで描かれたこと、非凡人(Edward)が平凡な幸せを選んだことも刺さったし、
スポーツスタッキングというカップを積み上げ崩す作業が人生にも似ていて、速くなる(短い時間で達成する)ために莫大な時間を費やした二人が、結局は時間という壁にブチ当たる皮肉、、、

ふと見ると驚くほど年老いた母が、空に続くかの様な寺の階段(人生と死を暗示しているのかもしれない)を登っていくシーンが好きで、効率性や成功よりも大切なものがあるのだという示唆にも思えた。ところで、徳が発動する度に"activated"っていうのも、その徳の力が超弱いのもめっちゃ笑った。
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