Nanami

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IVのNanamiのレビュー・感想・評価

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)
4.5
無駄が省かれていてとても観やすくなっていた。セリフの量も少ない。
良い仕事をしたと思いますよスタローン。

ロボットのシーン全カットには笑ったけど、正直あのシーンは別に癒しでもなくヘンテコなだけだったから削ってよかったと思う。80年代当時は重要だったのかもしれないけど。

今このタイミングで再編集版を世に送り出した意味がわかった気がした。冷戦が終わって30年経ってもなお新たな争いと混乱が起こり続けているこの世の中への、スタローンなりのメッセージなのだと受け取った。最後のロッキーの名言がより重く感じる。

そしてドラゴ。クリードⅡを観ている人はⅣの後のドラゴの人生を知っているので、より感情移入してしまうのではなかろうか。
ドラゴはマシーンじゃない。一人のボクサーなんだ。
誰か、ドラゴを抱きしめてやってくれ。

機械的で計算されたトレーニングをするドラゴと原始人のような鍛え方をするロッキーの対比もやはり最高なのよ。髭もさもさのロッキーのかっこいいこと。

シリーズを重ねるごとに強くなっていくエイドリアン(旦那がボコボコにされても目をそらさなくなった)、文句垂れてばっかりだけどいてくれないと困る最高の右腕ポーリー、それぞれのキャラもこの辺りで成熟してくるんだ。

富と名声を手にしても変わらず素朴で愛情深いロッキーが愛おしい。
エイドリアンにドラゴとの試合を止められた時、勝てないと言われ「君はいつも正しいことを言う」と返すところ。びっくりする。世界チャンピオンになった人がそんな風に返せないと思う。

最終ラウンド直前でデュークがロッキーにかける言葉が彼の人柄を表現していると思うのです。
「ありったけのパワーと愛をすべて注いでやれ!」

涙を流さずにいられるか?無理でした。
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