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そばかすのMMRのネタバレレビュー・内容・結末

そばかす(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

「石原裕次郎など、昔の俳優は歌を歌ったが、最近はそんな色気を持った俳優が居なくなった。」
こんな話を以前ラジオだったかで聞いた。
そこで取り上げられていたのは菅田将暉で、彼の歌は声も含めて魅力的で、確かに色気のようなものを感じる。


 三浦透子の歌声を聴いたのは『天気の子』だったのだが、彼女の声にも、何か惹きつけられるものがある。同時に肩肘張らない演技にも、とても惹きつけられる。

 同じような意味で、松たか子の歌も大好きで演技も好きだ。


 三浦透子演じる本作の主人公「そばたかすみ」は恋愛感情も性的欲求も抱かないらしい。「アセクシャル」というんだろうか。

 この感情を抱かないことが人間関係で色々と軋轢を生んでしまう。
 周りもそんな彼女を理解できず、母親は結婚結婚と繰り返し、男性からは告白を断った理由を理解されない。


 人生において好きだなんだという恋愛感情からは逃れられないと周りは言う。
 であれば自分はどのように振る舞い生きていけばいいのか主人公は悩む。

 一方、幼稚園児たちはそんな悩みなどお構いなく、自分達の感情に素直だ。

 家族友人その他色々な考え方のキャラクターが登場し、それぞれがステレオタイプすぎる気もするが、わかりやすくもある。

 LGBTQIAなどちょうどいまの日本の空気感を見事に掬い取った、今見るべき作品だと思った。

 エンドロールの三浦透子の歌、やはり稀有な歌声だと思った。
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