このレビューはネタバレを含みます
観たかった邦画トップ3にはたぶん入る、ずーーーーーっと観たかったのそばかす!
内容もビジュアルもキャストも惹かれるのはもちろん、脚本が大好きな映画hisのアサダアツシさんだったのでもう絶対観なきゃと思っていました、やっとやっと
アセクシュアルとかアロマンティックとかそういう名のついた言葉にただ囚われるというより、
恋愛至上主義みたいな文化に辟易としている人とか、恋愛や結婚を特に求めていない人とかそれらの優先度が低い人、苦手な人とか、
意外とすごく幅広い人に響く作品なんじゃないかなと感じた、
私も完全にそのうちの一人だったので佳純にずっと感情移入してたしめちゃくちゃわかる…って思いながら観てた、
この人とは恋愛とかじゃないとこっちでは信じていた人がそうじゃなかったと気付いた時の絶望感とかあの瞬間に湧き出る諦めの感情、そういうことがある度に怖くなって、
相手がどういうつもりなのか、自意識過剰だとしても、距離を縮める前に、先に確認しておきたいってなるあのラストシーンとか、
本当に性的指向云々とか関係なく、恋愛関係になることを避けたい感情としてすごく共感できた、
(ここら辺はドラマの“いちばんすきな花”でも似たようなことが描かれてたのすごく思い出した)
真帆が父親の演説中に怒鳴りに行ってくれたシーンで涙が止まらなくなった、
「どうして自分が思ってること話したり表現したりするだけで、怖くなったり恥ずかしくなったりしなくちゃいけないの?なんで自分がおかしいんだとか思わなくちゃいけないの?何も知らないし知ろうともしてないんでしょ?」
真帆はあの頃も今も、自分がムカついたから言ってやったんだって思ってるだろうけど、私はずっと佳純の気持ちでいたから、
自分が言えなくて叫べなくて苦しんでることを代弁して、自分よりも怒ってくれる人がいるのってこんなに嬉しいんだって思った、
だから真帆の結婚だって心からおめでたいと思ったし、自分の大切な人に自分より好きな人ができたって、幸せならいいじゃんって思うのもすっごくわかるなって思った、
何度も何度も振り返って手を振り合ってお別れしてるあのシーンが愛おしくてだいすき、
結婚式のチェロのシーンも泣いてしまった、佳澄と真帆の2人、すっごく好きだったなぁ
「多様性の時代ですよね」とか言ってる人は本当に何も分かってないし黙ってほしい
口を開けば恋愛や結婚の話しかしない人って親じゃなくても周りに全然いたりするけど、そういうのが実は苦しくて笑って話し合わせたりしてる人だって世の中にはいますよ
佳純に自分のことを変だと、おかしいと思わせてしまった所以たるこれまで無意識に傷つけてきた周りの人が作り上げていた空気感や押し付けていた圧力や佳純のことを知らずに知ろうともしてこなかった態度それらの方がよっぽど変だしおかしいです、
知らないことを責めてるんじゃない、自分が知ってる“普通”だけを信じて押し付けてくるのとか、相手にとっての“普通”を自分と違うと1ミリも疑わずに知ろうともしない、そのくせ土足でズカズカ干渉だけはしてくるそういう想像力のカケラもない関わり方をやめろっていってんの
この怒りともやもやが全部真帆の大声のあの叫びにのせられていくようで絶対に忘れたくない大好きなシーンです
あんな風に誰かに真正面から怒りをぶつけることを私はすぐ諦めてしまうし、怒りの感情を人にぶつけることが苦手な人間からするととっても胸にくるシーンだった、
佳純が笑って話を合わせたりごまかしたりする度にすごく苦しくなったけど、
新しいシンデレラの話を作ろうよ!てきらきら笑って言ってくれた真帆に心が救われ、
恋愛と結婚の話を押し付ける家族の中で唯一何かを押し付けることなく会話してくれるやさしい佳純ぱぱにもとても癒された、弱さを抱えている人間はやっぱり心地のいい接し方をしてくれるなって人間性からとても伝わる、パパが食卓で泣き出したシーンで理由もわからず私も泣いてしまった、
あと、シンデレラの違和感、あまり考えたことなかったけど、言われてみればそうだよね、みんなの前で流してるシーンでザワザワクスクスされてるの、意味わからなすぎて、ふざけんなよって思っちゃった、何がおもろいん?まじで
最近の私は世の中や社会に対して色んなことがおかしくないか?てアンテナの鋭さが増してきてる気がして意味がわからないことがすごく多いしそれはそれで日々苦しいけど、でも今ある文化とか価値観とか全部当たり前のように飲み込んで、自分が知ってること信じてるものの全てを“普通”だと、自分にとっての正しさが“絶対”だと疑わずに生きるのってすごく怖いことだと思う、
自分が知らない何かに出会った時、それを変だとか違うとかありえないとか指差すのって絶対に違うし、一人残らず全員が、「自分はおかしい」なんて思わなくていいような世界にしなきゃいけないのにな、私はこういう作品に出逢うたびにいつもそう思ってしまう
それでも、世の中的におかしいらしい自分とおんなじような人っているし、そういう人と出逢って、どっかでこの人も生きてるんだって思えたらそれでいいや、とも思えちゃうラスト
佳純が駆け出して、モエカさんの曲流れちゃうの、100点満点だ〜〜〜三浦透子の歌声聴き惚れちゃう〜〜〜🥲🥲💯!!!!
三浦透子がもうほんと、最高だよ〜〜〜!!
たくさん嫌な気持ちモヤモヤした気持ちに晒されても、浜辺でみる彼女の横顔はいつも凛としていて、強くてそれがとても良かった、あのシーン大好きなちひろさん思い出した(似てる作品にも出てくる!🥰)
毎回言ってる気がするけど本当に声が綺麗すぎる、コールセンターで働かせるの無駄遣いすぎるぞおい
そして前田敦子〜〜あっちゃん〜〜〜(泣)とにかく演説中に叫んでくれたあのお芝居ですごく心がスッとして嬉しくてあっちゃんが真帆演じてくれたの幸せだった〜😭😭
三浦透子×前田敦子めちゃくちゃよかったぞ😭😭😭🫶🫶🫶🫶
ほんと俳優・前田敦子の信頼厚いです、、、
万理華ちゃん、たぶんサマーフィルム以来とかで観るの久々だったけど安定感すごいし役によって気づかないくらいに馴染めるの天才すぎる、、一瞬あっちゃんかと思った笑
前原瑞樹氏やっぱいいよな〜〜なんやかんやちょいちょい見てる気がする!
北村匠海、最後の最後に出てきてびっくりしたわ、「おんなじような人がいて、どっかで生きてるんなら、それでいいやって思いました」って台詞、最高でした
理想は高く持っていたいしモヤモヤと怒りが完全に消えるわけでもなく、まだまだ考えることも多い、また観たいな、ずっと長らく観たかった作品みれてよかった☺️✨✨
“そばかす”ってそういうことか、今気づいた、かわいい
この作品好きな人で『his』観たことない人、マイノリティを描くアサダアツシ作品としてぜひ『his』も観てほしい、、『his』がなければこの『そばかす』も生まれていないとご本人もSNSで仰っていたので、、!
作品として描く責任や覚悟がより一層大きなテーマに真摯に向き合って、人との出会いを大切に作品創りをされていて、まだこの2作しか観てないけれどとても信頼できる脚本家さんだなって改めて感じました、また次の作品も楽しみだなぁ、