1980年代の韓国を舞台に、北朝鮮のスパイを炙り出そうとする韓国諜報員たちの激闘を描く。当時、韓国は軍事政権で民主化運動を弾圧していたという前知識は知っておきたい。映画はあくまで史実をベースにしたフィクションだ。
東京やバンコクでのド派手なアクションもさることながら、権謀術数をめぐらせた諜報合戦はなかなか見応えがある。人物や組織が複雑に入り乱れていて話についていくのが大変だが、大枠は掴める作りになっているし、定期的に銃撃戦やら拷問シーンを投入して飽きないように作られている。演出については、ややBGMを鳴らしすぎな点は気になったが、全体的に非常に手堅い。しかし、イ・ジョンジェ氏のようなスター俳優が、このような政治的な題材の映画を制作できるとは、韓国映画界の懐の深さを感じる。
『イカゲーム』にも出てた凶悪なホリエモンみたいな顔の役者さんも出演していて思わずニヤリ。
