わっしょい

サマリタンのわっしょいのレビュー・感想・評価

サマリタン(2022年製作の映画)
3.5
善と悪、表裏一体。

すごくちょうど良いヒーロー映画。
最近のヒーロー映画はシリーズやユニバースものばかりで、単発でコンパクトな世界観の作品がほとんどない。
そんな中で本作は、一本の映画にまとまっていて気軽に観れる良い映画だった。

善のサマリタンと悪のネメシスという双子ヒーローが戦った結果、爆発事故が発生。
両者は死んだものとされた。
25年後、サマリタンが生きていると信じる少年サムは金がなく、仕方なしにネメシスの意志を継いだギャングたちの仕事をしていた。
そんな中、サムは近所の老人ジョーが超人的な力を持っていることを知り、サマリタンだと言って慕うようになる。
サマリタンが生き残っていると考えたギャングたちが、サムとジョーに襲い掛かる。
というようなストーリー。

正直、ラストまでの展開は開始数分でなんとなく読めると思う。
描かれ方的にも、そんなに隠そうとしている訳ではなさそうだし。
ただ、それが分かった上でも、そのシーンが来ると気持ちが盛り上がる。
個人的には、ヒーロー作品の一番の見せ場は「自分が何者で何をすべき存在なのかを自覚して奮起する」シーンだと思っていて、この作品でもやっぱり一番好きなシーンになった。

「善人と悪人という区分けはなく、誰の心にも善と悪が存在する」というようなセリフは、最近のヒーロー作品らしいなと思った。
善が栄えて悪が滅ぶという勧善懲悪のノリは、過去のものになりつつあるなと思う。
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