わっしょい

君の膵臓をたべたいのわっしょいのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
4.1
生きるということ。

7年前の上映当時以来、2回目の鑑賞。
結末がわかっていると、感じ方が大きく変わるなと思った。

桜良が明るく笑っているだけで心が揺さぶられる。
一見無邪気な素の姿に見えるけれど、そうであってそうでない。
彼女なりの考えがあった上での自然な振る舞いに、深みを感じる。

彼女は多くの面で二面性を持っていると思う。
子どもなようで大人。
無邪気なようで思慮深い。
死を意識していないようで、死に向き合い、同時に生に向き合っている。
深く考えているのに、明朗快活でそれを感じさせない。
深みのある魅力的な存在だった。

そんな彼女がああいう終わり方をするのはインパクトがあるし、皮肉にも彼女の人生観の正しさを証明することにもなる。
「余命宣告されているからといって、その日まで生きれるかはわからない。
周りの人の方が事故や事件で早く死んでしまうかもしれない。
もしかしたら明日突然死ぬかもしれない。
1日の価値は誰にとっても等しいもの。」
みたいな価値観。
彼女が言うからこそ説得力があり、考えさせられる。

自分は、初めて鑑賞した当時から7年も生きてきた訳だけど、明日死ぬかもなんて思わずにただ生きている。
やりたいことなんて何も考えてない。
でももし、余命宣告されたら、明日死ぬかもしれなかったら。
そうやって生きていたら、違う7年間になっていた気がする。
これからの人生は、もっと大切に生きていきたい。
そう思った。
わっしょい

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