せっ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのせっのレビュー・感想・評価

3.7

ハリウッドで多数の名作を手懸けた敏腕プロデューサーのセクハラを告発する記事を書いた2人の女性記者の話。

新聞記者の映画で『大統領の陰謀』を前見た事あるのだけどそれと全く同じ感覚だった。急に色んな人の名前が出てきて、電話をかけまくる2人の記者。『大統領の陰謀』は社内で電話をかけまくる2人でだったけど、今作は映像に変化を持たせるためにやたらと色んな場所で電話をかけまくる。

車の騒音うるさい街中だったり、深夜寝てる最中、普通に子供の面倒を見ている最中。だから話が入ってこないんだよな(笑)実際こうだったかは分からないけど仕事と育児両立してる構図ってリアルで見るとシュールだね。

この事件って、決定的な性的暴行をされた人に限らず、暴行は免れたものの後に残るトラウマを植え付けられる言動を受けた人や、当事者を助けようとした周囲の人も含めて"Me too"と立ち上がったことが大きかったのかな。普通に自分は何もされてなくてもそんなセクハラジジイが会社にいるだけで不快極まりないしな。

大きく言えば、そんな性的加害者をのたばらせている社会システム自体が女性へセクハラしてるんだよなぁ。女性たちが沈黙する理由に、法的な問題や騒ぎになりたくない以外にも、そんなことをわざわざ話す必要がないと思ってる人もいると思うんだよね。実際女性なら生きてるうちに性的に不快な経験はほとんどの女性がしてると思うし。

昔電車に乗ってる時やたら近よって体くっつけてくる人いたな〜とか、男友達の軽い下ネタそれは笑えねえな〜とか。わざわざ全部言ってたらキリないし、話す程でも無いってなっちゃうぐらいこの世はセクハラに溢れてるんだろうな。

ハーヴェイ側が脅して記事を止めようとするのが逆効果になって、協力者が増えるのも爽快。自分に従う人としかいないから、視野がすごく狭いんだよね。

『プロミシングヤングウーマン』ではずっと怒ってたキャリー・マリガン、今作もだいたいずっと怒ってるのだけど、あるシーンで凄く優しい仏のような表情をしてるの名シーン。
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