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成功したオタクのせっのレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
4.2

かつて本人からも認知され、番組共演も共に果たした"成功したオタク"だったが、本人の性的暴行事件により、行き場を失った自分の気持ちを整理するべくかつてのオタク仲間と再開し語り合うドキュメンタリー。

今はもう推しはいないけど、私もかつてBIGBANGが好きで(推しは珍しくd-lite)、そこからキスマイオタクになって、人生の楽しかった思い出の4割ぐらいはたぶん推し活。だから、監督とV.I.のファンだった助監督(?)2人がグッズを見ながら思い出を語り合う姿にめちゃくちゃ共感した。推し活とは、アイドルが好きという単純なものではなくて、私たちの人生そのもので、後から振り返ればその時代のどこを切り取っても常にアイドルがいる。

日本は韓国の有名アイドルの検挙に比べれば犯罪者は少ないものの、ジャニーズ問題も割とこれに似てると思った。ジャニーズという名前がこの世から消され、事務所は被害者救済にまわり、まるでジャニオタ(これももう言っちゃいけない言葉?)が罪であるかのような空気。そっからこの世からジャニーズ特有のキラキラが減っていって、私があの時好きだったものがなんか否定されてるみたいで腹立ったんだよな。

あと、罪を犯してしまう芸能人の特徴の一つに人気が落ちてきちゃって違うとこに手を出したってのもあると思うんだよな。芸能界って現在進行形の人気で価値が測られる世界だし、ファンの気持ちも移り変わる。だけど今熱意がなくとも一人一人の心の中に大事な記憶としてその人がいることを忘れないで欲しいものですな。

元推しの悪口を言ってる時ですらすごい楽しそうな彼女達を見て、あぁやっぱりオタクっていいなぁと思った。ずっと誰か何かのオタクをし続けて幸せでいて欲しいなぁと思った。
せっ

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