あおたん

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのあおたんのレビュー・感想・評価

3.9
声なき声を拾い上げる。

日本でも注目されている#MeToo 運動の火付け役となったニューヨークタイムズの記事が世に出るまでの裏舞台を描いた本作。
これ、なんで気になったかというと、推しの出ている映画がワインスタイン・カンパニー制作でこの一件で公開が2年近く遅れたこともあり、これはハリウッドの根深い問題なんだな〜と思ったところから。

記事を担当したジョディとミーガンの執念とも言える取材を割とリアルに描いているよう。とにかくサバイバー達に寄り添い話を聞く。彼女たちの屈辱やトラウマ、自由の発言できない不利な示談内容。様々な声が集まれば集まるほど、加害者に有利にできている法の壁が立ちはだかる。

見てる間中ずっと、「しんどーーー。女の肉体を持って生まれたっつーだけでどんだけ人生ハードモードだよーーーー」とゲンナリすること多々。
それでも主人公たちが悩んだり泣いたりしながら調査を進めてそれに呼応するように徐々に声を上げ始める姿に共感しきり。

本作はプロダクション全体の主要な役割も女性が担っていて、作品のスタンスが明確になっている印象。主人公2人も生活と地続きで仕事をしている描き方をしていてよかった。

セクハラの問題は本当に根が深すぎて、でもこの問題に光が当たり始めたのはこういう名もなき職業人と勇気ある名もなき女性たちのおかげなんだろう。

主人公2人の上司のレベッカさんが最高にかっこいい上司でした。
あおたん

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