ハリウッドの名プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン。彼が数十年に渡って多くの女性に性的暴行や嫌がらせを行っていた事実を告発すべく、2人の女性記者が挑んだ実話を描いたドラマ。
今も記憶に新しい#MeToo運動。その発端となった本作での告発。大手映画会社ミラマックスを起ち上げた大物プロデューサーの卑劣な犯罪。それにより多くの女性が人生を狂わされ、告発したくても握り潰されてきた。
そんなタブーに真っ向から切り込みを入れた2人の女性記者ミーガンとジョディ。物語は2人が被害に遭った女性たちに聞き込みをして事実確認をするというのがメイン。なのでそんな大きな出来事はありませんし、ドラマティックや感動的な展開もありません。
権力や金で全て揉み消す悪行の数々。それを暗黙の了解のように見過ごしてきたハリウッド業界。その裏で苦しんだ女性たち。日本でも某男性アイドル事務所の報道とリンクするところがあり、巨大な勢力の深い闇を見せられた気になりました。
映画冒頭でドナルド・トランプのセクハラ報道もあり、これもきっと氷山の一角。映画業界に限らず外で他の分野でもあるものだと思い知らされます。
キャリー・マリガンとゾーイ・カザンの妨害を受けても諦めない姿はとても印象的。一見の価値は十分ある良作だと思います。
