ははぁ、オカルト的なトンデモ展開ではなく、老いと性的退行の話ですなぁ。
フランス映画らしく、キャッチーなプロットはあるにせよ、垢抜け無い。
いや、これも作家性?
カンタン初体験なので、これは遡ろう!
ネタはコミカルなのに、兎に角、陰気。
この鬱々としたトーンは尋常じゃない。
安い電子音満載の音楽のせいかもしれない。いや、それも含め、この監督の生理なのだろう。見かけとかけ離れた、鬱な映画。エンドロールの電子“主よ、人の望みの喜びよ”が、キモチ悪く響く。
フランシス・マクドーマンド似が、途中からソンドラ・ロック似へと若返るヒロインの、ある種奇跡の展開は面白い。
片や、最早、小太りで汚い声をがなり立てる、かつての神々しさが消え去ったブノワ・マジメルに驚く。彼こそ、本作の皮肉な内容を痛感しているのではないか。