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アングスト/不安のmasatのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
1.9
このアングルは何だ!?

巧妙に撮られた精神病的なアングル、動き。確かにこんな映像、観た事がない。
不安定ながらも、手持ちカメラの子供騙しとは一線を画す、異様な映像が続き、これは“映像美”というものではないか?と感じ始める。
俯瞰の視点も、天から見られている様で、ヤケに居心地が悪い。

だからと言って、サイコロジカル・ホラー映画としてのカタルシスは弱い。

この作品が制作された83年当時は、
『フラッシュダンス』『ゴーストバスターズ』『ターミネーター』『エルム街の悪夢』・・・など、ハリウッドが最大の売り上げを誇った、ノー天気な作品が幅を効かせた一大バブル期。
『羊たちの沈黙』(90)で幕を開ける『セブン』(95)の90年代にはまだ遠い。

先を行くことになった本作の先見性は理解される訳もなく、かと言って、
それでも、何かに執着しているのは異様に伝わってくる。
しかし、これ一本で終わった・・・
この呪われた作家は誰なのか?
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