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ウルフ・オブ・ウォールストリートのmasatのレビュー・感想・評価

3.0
大した映画を撮っていないコイツ(by 元東大の学長&日本屈指の恐怖映画監督)、
この(ピタリ95年以降の)30年の中では、最高値を付けたい。
(う〜ん、紐育の方がまだマシか?)

それでも、こんなネタで3時間も浪費させられるのは腹立たしく、凡庸は否めない。
(“カジノ”然り)

性欲が強すぎて、目眩がする。
そんな“発射”とクスリがなければ、top of the TOPには行けない、アメリカの広大さ。それをとことん思い知らされる3時間。
だからこそ、アメリカの実像を画にした功績は認める。

冒頭を飾るマシュー・マコノヘーの汚なさ、純朴な“童貞ウォーズ”少年の下衆っぷり、そしてなんと言っても、ロブ・ライナーの演技の凄さが見事な彩になっていた。
マーゴットも、こんな初期の頃から凄かったと認識。

ベトナム帰還兵が撮った同じ場所の話の方が、画期的で、心に迫る圧倒的な作品ではあった。ただ、それから26年後の本作は、21世紀的な、複雑な社会と人物関係へと踏み込んでいた。だから“長い”と言う副産が発生するのだが。

地下鉄に乗っているFBI捜査官のラストカット、その実直な虚しさ、
さらに本作のラストカットは効いている。この監督のたまにある特技、
所詮は夢幻の様に淡く消える・・・
そんなトーンをラストの音楽と共に、ヤケに響かせる。
こんな淋しげさは・・・時たま、好き。
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