せっ

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらないのせっのレビュー・感想・評価

4.2

激務が続く広告代理店で働く社員がタイムループから抜け出すために部長を攻略しようと頑張る話。

まず、毎週毎週同じことの繰り返しで社畜のように働く日本人とタイムループの組合せがマッチしすぎていて最高。激務すぎて夢と思い込んでなかなかループに気づけない朦朧さに、結局ループから抜けた時を思うと仕事をちゃんとやってしまう日本人の真面目さ。閉じ込められている訳でもないのに社内のワンシュチュエーションで進む話に何の違和感もない(笑)

そして、この映画製作してる会社が広告とかイベント系の会社っぽくて、ちゃんと社会人経験した人が作ってる感がとても説得力あってよかった。部長にループを気づかせるための作戦が、徐々に上の人から上の人に伝えてもらう"上申制度"だったり、最終的に資料にまとめてプレゼンする(この資料もよく見ると完璧な出来!)。

日本の古臭い体質と揶揄されそうな風習を割と肯定的に描いてるの良かった。上申制度についてはマジで共感しかない。上の人に代わりに言ってもらった方が伝わるのよ結局。一方で、上の人が抱えてる仕事、下の人にちゃんと教える教育体制が整っていれば負荷分散が上手くいくはずなのに、、という批判的なとこもあって良かった。

さらに、お仕事映画でもあり、今作は激務の人はもちろん、そこまで多忙じゃない人、仕事を生きがいにする人、好きなことを諦めて今の仕事をしてる人、割とどんな人でも共感できるポイントがある。私はそこまで激務じゃないタイプなので、事務のおばさんが1番早くループに気づいて1人で孤独に来週が来ることを祈り続けてるシーンに、胸がキューーっとなった。

目の前にいる人は忙しそうにしてるのに自分は暇で、同じ会社にいるのに自分だけ取り残されてる孤独、新人の時には良く感じてたわ。その点この映画はそんな人も置いてけぼりにしないのが嬉しかった。『ハケンアニメ!』も同じように激務お仕事映画だったけど、好きなことを仕事にしてる訳でもなく、寝る間も惜しんで仕事してる訳でも無い私はどこか置いてけぼりに感じたのよねえ。
せっ

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